ワールドジュエリーデザイン大賞 2011

受賞作品

WJD AWARD2011
受賞作品

RING ーその先へー

RING ーその先へー| TSUKASA

素材:K18WG、ダイヤモンド(3.81ct)

日本とギリシャの伝統文化の思想的な違いを表現し、リングを着けることで自己の存在を体感し、心を拡げることを目的としました。
ギリシャの思想は神々の能力と美化された身体を大粒ダイヤとメレのラインで表現。
その神々も宇宙の大きな流れの一部となる様子を、指を入れる宇宙の輪と続くデザインで表現。
指輪のラインは宇宙の流れを示し、その流れから自己の中に宇宙を感じることで無の状態に近づき気づきを得る、日本の思想を取り入れました。

審査委員コメント:
柔らかなふくらみのある立体がたくさんの線の集合で表現されていて、ボリューム感のある美しい造形です。ヨーロッパの古代神殿の柱のように表現された透かし彫りが美しい。(影山)
受賞者コメント:
今回の挑戦により、今の日本の文化、またジュエリーとして形にする意味を改めて考え直すという貴重な経験ができた事を嬉しく思います。
夜明けを告げるネックレス

夜明けを告げるネックレス| 平田亜季

素材:K18WG、ダイヤモンド(total/5.517ct)

古代ギリシャにおいて重要なモチーフであるアカンサスの装飾。
その曲線美や、連続性を日本文化のハレの日の装飾である「飾り結び」をヒントに、一筆書きのシンプルな線で表現しました。
散りばめられたダイヤは朝露をイメージ。 長い時の連続の中にあっても、節目となる始まりの瞬間の存在を表しています。

審査委員コメント:
アカンサスモチーフの一筆書きの形が軽妙で、その連結する様がおもしろい。ネックレスとして安定するかが不安だが、1つのモチーフが重なり変化に富む表現となる事を期待する。(飯野)
受賞者コメント:
この作品には明日への希望と祈りを込めました。その思いを多くの方々と共有することが出来れば幸いです。栄誉ある賞を頂き、誠にありがとうございました。
Pure Crudeness 純粗削

Pure Crudeness 純粗削| 岩崎吉郎

素材:Pt900、ラフダイヤモンド(原石/3.03ct)

ダイヤモンドの純粋な素材(荒削り)の美しさを表現しつつ、
異星人(エイリアン)に地球の美しい宝石であるダイヤモンドを見せつけるためのデザインです。

審査委員コメント:
第一印象は「インパクト」である。クラッシュ状のダイヤモンドがあたかも、地中からほりだされた原石であるようにみえるデザインである。(野澤)
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Odette| 尾出亜紀子

素材:K18WG、ダイヤモンド(total/12.15ct)

誰もが知っている西洋のお姫様、白鳥の湖のオデット姫。
清らかで美しい白鳥のオデットを、水が踊るように湖に誘います。
古くから日本が用いてきた躍動感のある水のモチーフを取り入れ、踊るような水に羽がはえ、花嫁の清楚さを引き立てます。

審査委員コメント:
優雅な曲線で水の流れを表現しており、揺れるダイヤによって水面に映る日の光をも充分に感じられる。やや、平面的なところが惜しい点である。(飯野)
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landscape| 齊藤由香里

素材:K18WG、ダイヤモンド(total/10.41ct)

建築様式「ランドスケープアーキテクチュア」は、包括的で明確なデザインをいかにして見る人を楽しませられるか考えられていました。違う時をすごしてきた者も、同じ方向を向いて歩んでいくことで少しずつ互いを理解し尊重し寄り添っていく。
大切な人や環境を知り、自然に共存していく思いを込めました。

審査委員コメント:
ティアラとしては非常にシンプルで、軽妙な線が非常に美しい。サイドが込み入っているので、その部分を中心に寄せ、端は細くスマートに完結したい。(飯野)
HOLD

HOLD| 田中友美

素材:Pt900、プリンセスカット(0.9ct)、メレダイヤモンド(0.271ct)

プリンセスカットのダイヤモンドを4点で支え、シンプルでスタイリッシュな感じのエンゲージリング。
ゴシック建築の教会の身廊をイメージしてデザインしました。 サイドの腕にダイヤをつけて華やかさをだしました。

審査委員コメント:
シャープなデザインに目を惹かれました。建築物を思わせる立体感とプラチナのシャープさが互いを強調させています。 4点で留める高度なテクニックでプリンセスカットをセッティングし、メインストーンを引き立たせています。(野澤)
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Diamond Candy| 花崎理佳

素材:K18WG/K18PG、マーキースダイヤモンド(0.25ct)

木目金によって、2色の金属で描かれる模様が特徴的な婚約指輪。
ホワイトゴールドとピンクゴールドの模様を飴玉の包み紙に見立て、 作品名を「Diamond Candy」としました。

審査委員コメント:
軽快でシンプルでどこか魅力的なデザインである。ダイヤモンドのパビリオン、地金の特徴を考慮すると、外枠を太くしたい。
また、ロウ付けによりホワイトゴールドとピンクゴールドの対比がより良く感じられるであろう。(飯野)
Diamond Ring ー星々と神々ー

Diamond Ring ー星々と神々ー| TSUKASA

素材:エンゲージ Pt900、ダイヤモンド(0.716ct)、メンズ Pt900、レディース Pt900、ダイヤモンド(0.25ct)

勢いのある無数のラインは宇宙の流れを示し、
ダイヤモンドの輝きは神々の能力とひらめき、気づきの喜びを示す。
ダイヤモンドの爪は神々の身体を美化したギリシャ文化の表れであり、
リングに指を通すことで宇宙と一体化し、自分が宇宙の一部であることを体感できる。

審査委員コメント:
細い線の輝きの中にちりばめられたメレダイヤが効果を発揮することを期待させるリングである。
線は悠久の時を刻むようゆったりと大胆であり、メレダイヤは宇宙を感じさせるようである。(飯野)
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変わり変わらぬもの| 李賢基

素材:メンズ Pt900、バゲットカット(0.26ct)、レディース Pt900、バゲットカット(0.24ct)

日本でずっと愛され続けている畳。変わらぬ美しさと安らぎを与えてくれます。
目まぐるしくトレンドの入れ替わるニューヨークソーホー。
世界最先端のデザインがこの町に集い、いつ何時も刺激が絶えません。
そこで「畳と石畳」をモチーフに、変わらぬ愛と互いを想い変わり行く楽しさを表現しました。

審査委員コメント:
規則的な石畳の配列に、2石のダイヤモンドが良いアクセントになっている。石畳に高低差をつけたり、幅を広げよりボリューム感を出すとより良くなるであろう。 応募作品の中では四角の形が特殊であり希少性があった。(影山)
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Supplement| 吉良直恵

素材:メンズ&レディース K18YG/K18PG、オレンジダイヤモンド(0.07ct)

イエローゴールドとピンクゴールドを合わせ、2種類の異なる素材のリングの、それぞれの欠けた部分にもう片方の素材を補いました。 「互いに足りないものを補い合うふたりでありたい」という想いと、 補うことで、円が満ちるようにふたりが円満な家庭を築くことを想ってデザインしました。

審査委員コメント:
シンプルな形の中に2色の地金、ペアシェイプの組み合わせが面白い。2色の組み合わせは様々なパターンが展開できそうである。(飯野)
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| 花崎吉宏

素材:メンズ Pt900/K18PG、レディース Pt900/K18PG、ホワイトトリリアントカット(0.04ct)、
イエロートリリアントカット(0.04ct)

固い金属を常に流動的に動いている「波」を思わせる形に加工した結婚指輪。
女性用にはトリリアントカットのダイヤモンドを使って、
2色の石をまるで1つのダイヤモンドのようにあわせて使い、個性のあるデザインにしました。

審査委員コメント:
色の違う2石のトリリアントカットのダイヤモンドを一つのダイヤのように用いたところにデザインの新しさがある。2色のダイヤ・2色の地金のコンビネーションも美しい。(影山)
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Corinthian| 佐藤愛

素材:Pt900、ダイヤモンド(0.558ct)

古代ギリシャの建築様式の1つであるコリント様式は、最もオーガニックで自然な形状の装飾が特徴です。そこからヒントを得、ダイヤの輝きを強調するために、その周りを装飾しアームからダイヤまで自然な一体感を演出しています。
さらに清らかさの象徴である日本古来の蓮の花からもヒントを得ました。

審査委員コメント:
上部のモチーフである蓮の花びらが連なり、ダイヤモンドを引き立てるように石留めされ、ダイヤモンドの輝きがより一層増す上品な仕上がりになるであろう。(野澤)
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Love veil| 長谷川聡

素材:Pt900、ダイヤモンド(0.025ct)

切削機を用い、カップルの名前や記念日をフルオーダーで削りだしデザインすることができる。
あえてシンプルな構造で飽きないデザインにした。 記念日がくるたびにお互いにリングを贈り時間や共に乗り超えてきた出来事を表現する。
フォントやサイズなどもカップルの好みで選べる。

審査委員コメント:
切削加工機で高精度のデータを造形する試みを提案している。リングの表面に微妙に切削された文字や記号が手作りでは表せない造形となる。(影山)
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無題| 橋本早苗

素材:K18PG、ハートシェイプ(0.543ct)

ハートシェイプのダイヤのカットの線をピンクゴールドで形作り、
そのテーブル面に値する箇所にハートシェイプのダイヤモンドを留めたデザインです。
ハートシェイプの中にハートダイヤ。 コンテンポラリーなデザインの中にもハートモチーフやピンクの地金で可愛らしさを表現しました。

審査委員コメント:
メインストーンを囲む線のデザインをハートシェイプと同じ形で表現したこのデザインは、ダイヤが空間に浮かぶようで立体的である。
ダイヤモンドが様々な角度から輝くように見える点や、ハートの形の可愛らしさも評価したい。(野澤)
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Strawberry doughnut| 高見健治

素材:K18PG/K18YG、コニャックダイヤモンド、ホワイトダイヤモンド(total/0.08ct)

女性に贈る美しい宝石と貴金属。
それを生かすのは、女性が好むモチーフだと考え、可愛らしいドーナツの婚約指輪をデザインしました。

審査委員コメント:
有機的な形態の中に統一感があり、しっかりとしたフォルムがみられる。2色のダイヤモンドは円周全体に配されるのが望ましい。(飯野)
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Black Planet| 吉良直恵

素材:K18WG、ブラックダイヤモンド、アイスブルーダイヤモンド、ホワイトダイヤモンド(total/9.33ct)

青色と無色のダイヤモンドと、その輝きを引き立たせるブラックダイヤモンドを敷き詰めました。
チェーンとの接続部は惑星のようにくるりと回転します。
夜の星座のように互いの色を引き立てます。

審査委員コメント:
漆黒のダイヤモンドが敷き詰められた球体のペンダントに、1本のラインが青色と透明のダイヤで描かれている。シンプルで神秘的な造形である。 また夜空の星座を感じさせるような美しいペンダントである。(影山)
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PIN “INSPIRED BY THE PAST, BUILT FOR THE FUTURE”| 木寅篤人

素材:K18YG、ダイヤモンド(1.08ct)、パール

中世ヨーロッパ王室文化も日本の伝統文化も泡のように弾けるシャンパンに似ている。
1度シャンパンの虜になるともう抜け出せない。 シャンパンの泡に足をすくわれ、ずぶずぶとシャンパンの海に沈んでしまう。
この浮遊するかのような感覚をダイヤと真珠を使い、ドレスの上で弾けるピンで表現しました。

審査委員コメント:
中世ヨーロッパの王室文化と日本の伝統文化をシャンパンの泡のような儚さに見立てたところが興味深い。 立体的な形の中心でパールが揺れ、細かな金のパーツとダイヤ・パールの組み合わせが美しい。(影山)